中小企業の管理職心得考察

来週から我が課に新しいメンバーが加わります。メンバーが加わるのは5年ぶり位で、年内に退職する社員の後継要員となります。本人は転職での入社で20代後半、今回が4回目の転職でなかなかのホッパーぶりです。僕は来るもの拒まずなので、新卒でも経験者でも、年下でも年上でも、どなたでも歓迎です。同僚の管理職だと、条件をきちんと設定して何度面接ているケースもあります。ただ選定の手間や、結局入社してお互いミスマッチで何だかんだが発生するので、僕は面接にかかわらず、さらに上の上長に採用活動は丸投げしています。
弊社は中途半端に歴史のある、中途半端な中小企業です。ぼくが入社した時は、パワハラも普通にあり長時間労働のいわゆるブラック企業でした。離職率も超高い状況でしたたが、僕が管理職になってからはほぼ定着率100%くらいになり、7~8名位の若手社員も継続して一緒に働いてくれています。別に自慢するわけでもなく、その前の古い体質が異常だった、、、というこで、普通?に働ける環境を整えると、結果的にそんな感じになったのかなーという印象です。

久しぶりの新メンバーを迎えるにあたり、これまでの自身のトライアンドエラーを踏まえた、管理職としての心構えをまとめておこうと思います。

・相手は尊重する

昔は新入社員は会社が採用<してあげた>存在で、現状カルチャーに服従、会社や上司の都合を優先して、空いた時間で教育<してあげる>といった状況でした。僕が入社した際に、研修役の管理職の一人が、忙しくてお前の研修準備できてないわ、と。うだうだ自分の仕事観を説明されるという地獄の対応でした。ほんとになんて失礼な奴なんだと、いきなりモチベをがっつり削られた記憶があります。

新入社員も人生の多くの部分を会社に預け、また会社もコストをかけて社員を採用しています。また当然、お互いもう社会人同士なわけですから、(企業規模で可能な範囲)で準備をして一緒にスタートするのは必須条件です。小さな企業ほど準備できるリソースが限られており、そのうしろめたさを隠すために、イキがる人間がいますが、そんな会社は早々に見限られます。

・ハラスメントは厳禁、ただ感情はあえて見せていく

もう、今の時代はハラスメント系は絶対にダメです。かくゆう弊社も某転職サイトにボロカス書かれてしまったことがあります。また、正直自身も若いころは体育会系パワハラ気味な面もあったりしたので、ゾッとしたのが実感です。
こちらの意図や先方の事情は、発信表現の仕方で全く性質が変わってしまいます。そもそも前述したとおり社会人としての関係性は成熟したものでなくてはなりません。その点をまずよく肝に銘じる必要があります。

ただ、僕は結構喜怒哀楽は伝わるように相手に接することは良いことだと考えます。
理由は、良い悪いの感覚が手っ取り早く身につくからです。会社によっていろいろな価値観があり理屈では正論で説明できない部分も飲み込んでもらう必要が多々あります。この時に、ちゃんと時間をとって説明するのが正しいのでしょうが、これは中々至難の業です。正直とりあえず飲み込んでもらって、そのうち会社の事情や過去の文脈を理解した時点でしか本当に理解することはできないと考えています。で、あれば○○さんが起こっているからやめておこう、喜んでいるからやっておこう、で進めていくのがお互いの時間節約、精神衛生上も良いかなという実感があります。また、仕事の「喜び」「楽しい」の部分は共有してきたいので、ほかの「怒」「哀」だけ見栄えの良い理屈でカバーするのは無理があります。

・最初はいい人にならない

これは後輩が部下を指導するときにもアドバイスするのですが、最初はちょっと注意するのも結構勇気がいる、というか精神的にめんどくさいものです。ここの逃げ道で、自分は「細かいことを気にしないいい人」キャラになろうとします。最初にこうなってしまうと、あの時も中止しなかったし、、、が足かせになってその後も間違った行動をただすことができません。最初は厳しめでルール厳守で指導するほうが後々楽になります。

・報告連絡相談は自分への評価基準

よくうちの部下は報告がない、とか相談せずに勝手に決めてしまう、とかいう管理職がいますが、それは上司とのコミュニケーションコストが重たいから、もしくはレスポンスに値打ちがないから起こる現象です。つまり自身の問題です。

部下からの報告連絡相談は最優先で対応、またどんな問題でもレスポンスできる能力を自身で持っておく、また伝えるスキルを身につける努力をする必要があります。

・会社で埋没させない

誰でも評価されないと、モチベが下がります。また、上司の言うことを聞いているのに会社から評価されないとなると、自身の指導の説得力もなくなってしまいます。ただ、中小企業の場合は評価基準があいまいだったり、経営者の意向で大きく評価が変わってしまったりすることはよくあることだと思います。実績をうまくスライドしたり、社内の改善業務などほかの人間がやっていないことをやらせて、会社の中で個性(キャラ)をもたせてあげるようにしましょう。

・30年一緒に働く仲間のつもりで接する

転職も選択肢として推奨される世の中ですし、僕もそのことに異論は全くありません。ただ、会社や上司の存在は、人生にとって大きな部分を占めるのが多くの人に当てはまるのが現実です。ハイスキルの人のまねをして、会社へのコミットを避けていると結局社会で通用するビジネスパーソンにはなれません。たまたま巡り合ったビジネス上の関係性ですが、あえて「運命」を感じてみる、またちょっとでも相手にも感じさせてみることで、良いか関係が築けると思います。

・結果は出す

うちの部署は他から見ると「サークル」とか「温室」と評されることがあります。ですが、出しているアウトプットの質は全国でいつトップかそれに準じるものです。結果を出せるようにめちゃくちゃ考えているし、その部分は妥協なく部下に指導します。属人化した組織だと妙な上下関係が発生して、一見団結しているように見えたり、強い個性が発信スキルがあるようにことがあります。でも実際はアウトプットに通じない無駄な会議や、会議用の活動にすぎないように見えることがあります。温室育ちでもきれいな花、おいしい果実のほうがいいですよね。

 

いろいろな個性と出会って、お互いにトライアンドエラーしながら結果を出してく。その過程を大切にするチームでありたいものです。